皮膚や粘膜を守るビタミンA

ビタミンAとは

ビタミンAは、脂溶性ビタミンであり体に貯蔵され、皮膚、とくに粘膜の組織と眼の機能を正常に保つ働きがあります。
ビタミンA(レチノール)は動物性食品に含まれ、植物由来のプロビタミンAは体内でビタミンAへと変化します。
植物性食品が中心とされていた昔の日本では、ビタミンA欠乏症がよくみられていました。しかし、飽食で欧米化した現代の食生活においては、ビタミンAの過剰摂取にも注意が必要です。

ビタミンA不足により起こる症状

一般症状・疲れやすい
・病気、感染症にかかりやすい
・光がまぶしい
・視力低下
・肌の乾燥
・脱毛
感情・イライラ
・神経過敏
・不眠
・無力感
神経・骨格・骨の発育障害
・歯の成長障害
内臓・食欲不振
・慢性下痢
(参考:薬剤師がすすめるビタミン・ミネラルのとり方)

ビタミンAの食事摂取基準

前述している通り、ビタミンAの不足は問題ですが、過剰摂取にも問題はあります。
摂取量が過剰だと、口内炎、胸やけ、吐き気、頭痛、下痢などの症状が現れることがあります。とくに妊婦は、奇形児出産(妊娠初期)のリスクを避けるため、ビタミンA過剰摂取には注意が必要です。

男性の場合

年齢推定平均必要量推奨量目安量耐容上限量
0~5ヶ月300600
6~11カ月400600
1~2歳300400600
3~5歳350450700
6~7歳300400950
8~9歳3505001,200
10~11歳4506001,500
12~14歳5508002,100
15~17歳6509002,500
18~29歳6008502,700
30~64歳6509002,700
65~74歳6008502,700
75歳以上5508002,700
厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020」より抜粋            (μgRAE/日

女性の場合

年齢推定平均必要量推奨量目安量耐容上限量
0~5ヶ月300600
6~11カ月400600
1~2歳250350600
3~5歳350500850
6~7歳3004001,200
8~9歳3505001,500
10~11歳4006001,900
12~14歳5007002,500
15~17歳5006502,800
18~29歳4506502,700
30~64歳5007002,700
65~74歳5007002,700
75歳以上4506502,700
妊婦(初期)+0+0
  (中期)+0+0
  (後期)+60+80
授乳期+300+450
厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020」より抜粋            (μgRAE/日

ビタミンAを多く含む食品

植物由来(緑黄色野菜など)であるプロビタミンAは、体内でビタミンAに変化しますが、すでに体内のビタミンA量が十分に足りていれば変換されないので、摂り過ぎの心配はありません。
下記の食品リストは「日本食品基準成分表2010」より抜粋しています。どうぞ参考にされてください。

■肉類

鶏レバー14000.0(μgRAE)
豚レバー13000.0(μgRAE)
牛レバー1100.0 (μgRAE)
※過食部100gあたりの数値

■魚介類

あん肝8300.0(μgRAE)
うなぎ蒲焼1500.0(μgRAE)
銀だら1500.0(μgRAE)
ホタルイカ1500.0(μgRAE)
まぐろ(脂身)270.0 (μgRAE)
※過食部100gあたりの数値

■野菜類

モロヘイヤ840.0(μgRAE)
春菊380.0(μgRAE)
ほうれん草350.0(μgRAE)
にら290.0(μgRAE)
人参140.0 (μgRAE)
※過食部100gあたりの数値

■果物類・その他

みかん84.0(μgRAE)
35.0(μgRAE)
160.0 (μgRAE)
※過食部100gあたりの数値


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